「ボロボロ放置自転車」再生、復活物語
僕は今まで、メルカリに出品したことがありませんでした。
一度、自分で何かをメルカリに出品してみたい・・・ ずっとそう思っていました。
でも、実際にやろうとすると意外にハードルが高く、売りたい不用品はたくさんあるのに「いつか・・・」と思いながらずっとそのままになっていました。
売りたい商品はあっても、いざ出品!となると、
「写真はどうやって撮ればいいの?」
「商品説明はどう書けばいいんだろう?」
「発送方法がいろいろありすぎてわかりにくい!」
「購入者さんとのやりとりはどうすればいいんだろう・・」
と、あれこれ疑問、不安が出てきて、結局いつも
「またあとでいいや!!」
となってしまうんです(-_-;)
きっと、そういう人って多いんだろうな・・。
メルカリへの出品さえハードルが高い。
そんな僕がなぜか最近「フリマ塾」に関わることになり「これはもう、やらないわけにはいかないだろう・・」と覚悟を決めて、あるものを出品してみることにしました。
「あるもの」とは、だいぶ前から気になっていた、1台の自転車。
この自転車はもともと僕の物ではなく、ある人がだいぶ前に中古で買ったもので、ほとんど乗らずに駐輪場に放置してあったのです。
この写真ではちゃんとスタンドで立ててありますが、それまではこの駐輪場の奥で倒れたままの状態。
ホコリをかぶって真っ白でとにかく汚い、前後のタイヤはぺしゃんこ、チェーンは外れたままでサビつき、いつ撤去されてもおかしくない状態。
なんとかギリギリ撤去からは逃れていました。
このままにしておくと、もしかしたら明日にでも、撤去されてしまうかもしれない。
今回、所有者からこの自転車を譲り受けて、メルカリで販売OKをもらいました。
なぜ今回、この放置自転車を再生して売ろう!と思ったのか?というと・・・
僕は中学生の頃から自転車が大好きで、休みになるといつもサイクリングに出かけていました。
高校時代には、行きつけのサイクルショップで、アルバイトをさせてもらっていました。
時給はたしか500円だったと思います(^^;
そこでは、パンク修理からはじまり、タイヤ交換、新車の組み立て、パーツの交換・・などなど、あらゆることを経験。
もちろん、古い自転車をキレイにメンテナンスして販売、というのも何度も経験していました。
ただ、今回譲り受けた自転車はかなりひどく、よく調べるとペダルや変速機なども油切れでほとんど動きません。
ほぼ廃棄処分レベルだったと思います。
こんな状態で再生、メンテナンスしたところで、メルカリで本当に売れるのかな・・と思いました。
でもここは、僕の自転車再生テクニックと、僕も関わるメルカリ塾の実力の見せ所!
「とにかくやってみよう!」
と、再生作業に着手することに。
↓作業を始める前に撮影した、証拠映像です。
まずは、ずっと外れっぱなしになっていたチェーンをはめ、自転車全体につもった大量のほこりを洗い流し、ダメになっていたタイヤのバルブを交換!
バルブは、近所の100円ショップで2個セット108円で売っていました!
しかも、虫ゴム不要!
これを買ってしまう方が、虫ゴムを交換するよりずっと楽です。
バルブを交換してペチャンコになっていたタイヤに空気を入れてみると、パンクはしてないようでした。
しかも、タイヤの状態は思ったほど悪くない。
タイヤ交換となるとけっこうコストがかかるので、売れたとしても利益がほとんど出ないと思います。
タイヤが大丈夫だったとしても、バルブ口がダメになっていると空気はすぐに抜けてしまいます。
バルブ口の交換なんて、ほんの1分もあれば終わるのですが、これを知らないと自転車屋さんにもっていって直してもらうしかありません。
何とか一通りメンテナンスが終わると、続いて細かいところのクリーニング。
あれほど汚れていた自転車も・・・
どんどんキレイになっていきます!
再生自転車をきれいに見せるにはいくつかのポイントがありますが、いちばんは車と一緒で、タイヤやホイールまわりをきれいにしておくことが重要!
これが汚いと、いくら車体をキレイにしても全体が汚く見えてしまいます。
自転車の再生販売でいちばん大事なのは「この自転車をできるかぎりピカピカにして、もう一度愛用してもらえるようになってほしい」という「想い」なのかもしれません。
廃棄寸前の自転車が再び活躍する姿をイメージすると、わくわくします。
楽しいからこそ、このような作業もできてしまうんです。
すっかりきれいになったところで、メルカリ出品に向けて撮影開始!
最初とくらべていかがでしょうか?!
かなり、輝きを取り戻しました。
1つの作品が仕上がった感じで、つい眺めてしまいます(^^;
せっかくキレイになったので、外ではなく室内で撮影!
外で適当に撮影するより「大事にしている感」が出ると思います。
買う人にとっても、大事にしてもらっている自転車の方が、欲しい!って思いますよね。
中古の物を売るとき、単に「モノ」だけを売ろうとすると、あまりうまくいかないと思います。
「モノ」に「想い」を乗せる、むしろ「モノ」ではなく「想い」を売る。
商品への「想い」を、写真や説明文で表現するのです。
メルカリでは10枚の写真が撮れるので、さまざまな方向から商品の状態がそのまま伝わるように撮影します。
いちばん大事なのは、傷など問題個所を隠さないこと!
そうでないと、後になってクレームにつながる可能性があります!!
傷や問題のある個所も含めてすべて見てもらい、それでもOKという方にだけ購入を検討していただきます。
もちろん、商品の説明文にも問題個所についてすべて書きます。
そして、最後にもう一度、購入者に商品説明や写真を確認してもらいます。
商品写真と説明は、メルカリ出品では特に重要なポイント!
これって、人も同じですね。
いい面だけでなく、ネガティブな面も含めた全体が、ありのままの人の魅力。
いい面だけ出そうとすると、どこかでうまくいかなくなりますし、疲れます。
ということで、いよいよ「必ず出品する!」と決めた日になりました。
この日は日曜日で用事があり、午後から出かけることになっていました。
そこで、あらかじめ商品写真を撮影、説明文もスマホのメモに書いておいて、出品作業のときにコピペするだけにしておきました。
写真さえ準備しておけば、それ以外の作業はどこでもできるので、どこからでも出品できます。
場所を選ばないというのが、メルカリの最大のメリット。
店舗型ビジネスでは絶対考えられないですね。
この日、用事が終わったらもうすっかり夜。
日曜日の夜はメルカリをやる人が増える、ということで、先延ばしはできません。
いよいよ初めての出品!
というより、大事に育てた娘を嫁に出すような心境?!
写真をそろえ、説明文も設置。配送方法や販売価格などを決め、すべての準備が整ってからいよいよ出品ボタンをタップ!
完ぺき!!
・・・・ここで一瞬、手が止まりました。
なにしろ、撤去されていてもおかしくない廃棄寸前の自転車を今回、6,800円という値段で出品するのです。
通販サイトを調べてみると、同じような自転車の新車が10,000円くらいで変えます。
僕は正直、この自転車にこの料金を払うなら、新車買う方がいいのでは・・などと考えてしまいます。
僕はもっと安い価格設定をしていたのですが、「値下げ交渉」に備える必要があるそうなので、思い切って高めの価格設定に。
そして・・・・
勇気を出して出品ボタンをタップ!(ついタップにチカラが入ってしまいました)
すると・・・出品直後にコメントが!!
「送料がどのくらいかかりますか?」という問い合わせでした。
本当にびっくりしました。
残念ながら、遠方のかたで送料がかなりかかってしまうので、今回は見送っていただきました。
今回は出品商品が自転車、ということもあり、遠方に送るには高額な送料がかかってしまいます。
下手すると、新車の方が安いという状態。
そこで今回「近くにお住まいの方限定」とさせていただきました。
近くだったら、取りに来てもらうか、車で届けることができるからです。
メルカリには、こういう出品方法もあるのです。
送りにくい大きな物を売りたいときにおススメ!
ただそうなると購入対象者がかなり絞られてしまうため、購入へのハードルも上がります。
結局、出品当日は問い合わせが2件、いいねが7件入りました。
そして翌日。
「いいね」は増えていくものの、購入したいという方はなかなか現れません。
やっぱり、この自転車がこの値段、しかも地域限定じゃ売れないよな・・・と思いながらも、あきらめるわけにはいきません。
なぜなら、売れた時点で、今回の「ボロボロ放置自転車再生、販売物語」を公開することにしていたからです。
「説明文にちょっと手を加える」など、とりあえずできることをやってみると、アクセスと「いいね」がどんどん増えていきます。
そこでタイミングをみて、価格を1000円近く下げてみました。
すると・・・瞬時に、近くに住んでいるという方からコメントがありました。
「もう少しお値段下がりませんか?」という交渉でした。
そこで「5500円まで下げます!」と伝えたところ、すぐに交渉成立!
無事、ご購入いただきました。
出品からおよそ24時間。
廃棄自転車状態から再生のためのメンテナンスをしてわずか4日目。
商品販売代金は5,500円、販売利益は4,950円になりました。
証拠はこちら↓
取引メッセージでのやりとりを重ね、代金が入金され、引き渡しの日も決まりました。
とうとう、この自転車の新しいオーナーと、活躍の場が決定です!
自転車はタダで譲ってもらったものだから、かかったコストはバルブ代の108円のみ!
まとめると、
・5月17日金曜日、自転車のクリーニングと修繕作業
・5月18日土曜日、自転車の撮影と商品説明文作成
・5月19日日曜日、夜、外出先で出品
・5月20日月曜日、夜、購入者決定
・5月25日土曜日、購入者へ引き渡し
という流れになります。
【放置自転車の再生、出品作業を終えて】
今回、初めてメルカリに出品してみたわけですが、実際にやってみると本当にいろいろなことが分かりました。
まず、すべての過程において「これでいいのかな・・??」という不安があること。
商品の状態、商品写真の撮りかた、商品説明文の書きかた、配送方法の決定、価格設定、お客様とのやりとりなどなど・・・・
大事なポイントがいくつもあります。
これが、初めての人にはわかりにくい。
僕は、知識としてはひととおり理解しているはずでした。
それでもいざ、自分でやってみると「これでいいのかな・・・?」という不安ポイントがいくつも出てきます。
一人でやっていたら、きっと途中でやめていたことでしょう。
今回、メルカリ塾(フリマの森)講師の高橋さんに、すべての過程でアドバイスをもらいながら出品しました。
疑問があるとその都度、すぐに教えてもらえるので、本当に助かります。
あんなに汚くてボロボロだった放置自転車が息を吹き返し、たくさんの人に「欲しい!」と思っていただけるようになり、最終的に条件にぴったり合う人に買ってもらえた。
これって、すごいことだと思うのです。
世の中の放置自転車をかたっぱしから再生して、再び欲しい人に愛用してもらえるようにするなんていうことも可能なのかもしれません。
(本業があるのでできませんが・・)
長期間放置されていたものが息を吹き返し、メルカリというサービスを通して、本当に欲しい人のもとに届き、再び愛用してもらえるようになる。
モノがあふれる使い捨て社会に、こうしたメルカリのようなサービスが出て広まっていくことで、物を大切にする気持ちが人の間にふたたび広がっていくかもしれません。
さて、次は何を再生して、再活躍できるようにしましょうか?!