hiroblo(ヒロブロ)

埼玉で個人事業を行うhiroのブログ

「治療院モデル」の限界

僕は、平成9年8月1日から整体サロンを始めたので、今年の8月でちょうど20周年になります。

最初、サロンオーナーは僕ではなかったのですが、実質、院長は僕でした。


8月1日にサロンがスタートして、さあやるぞ!!とはりきっていたら、埼玉の帯津三敬病院に入院していた母が、8月5日に亡くなりました。

56歳という若さでした。

 

僕の整体師としてのデビューは、とてもつらいスタートでもありました。

というのも、当時は僕自身も体調がよくなく、母にたいしたサポートをしてあげられなかったからです。


その後の僕が、母のような人を増やさないためにも、自分自身の健康回復のためにも、

 

 

「治せる治療家になりたい」

 

と誓うことは、ある意味自然なことだったと思います。

 

地元の大学病院医学部が編入試験をおこなう、ということで受けたり(残念ながら不合格でしたが)、

指圧あんまマッサージ師の国家資格を取ろうとしたこともありました。

同時に、自分自身の健康を取り戻すために、ありとあらゆる治療院を訪れて、実際に自分の身体で施術を受けまくってみました。

いわゆる、カリスマ治療家の先生の治療も受けてみました。

そしてわかったこと。

施術を受ければ、そのときは身体はラクになる。

でも、ほとんどの場合、身体はすぐにもとの状態に戻ってしまう。

もっと、なにか根本があるはずだ・・・


研究と試行錯誤を重ねた結果、3つのことがわかりました。

 

1)今の健康状態は、もともとの体質や生活習慣の影響をかなり受けている。

ほんとうの意味で健康になるためには、治療、施術を受けるだけでなく、食生活やライフスタイルを見直したり、適度に身体を鍛える必要がある


2)メンタルが弱いとストレスが体調面に直結するため、ストレスに強くなるタフさやストレスを解放する方法を身につける必要がある。

3)そのときの症状がよくなったとしても、それで健康になったとはかぎらない。


これは、自分自身の健康問題を経験して、初めてわかったことでした。


この3つに気づいてから、僕は「治せる治療家」をめざしたり、「治療院モデル」を取り入れることをやめました。

 

もちろん、僕自身「施術家」でもある以上、施術の技術向上はつねに課題です。


その時の痛みやつらい症状を、その場で少しでもラクにして差し上げたいからです。


それでも僕が「治療院モデル」をめざすのをやめた理由。

それは以前にも書きましたが、


治療院、整体院などを訪れる方のほとんどは、


そのときのつらい症状が良くなる=治った


と思い込んで、通うのをやめてしまうからです。


ある症状がおこるのは、多くの場合、意外に根深い理由があります。


単に施術を受けるだけで本当に良くなる、ということは、あまりないと思います。


「治った」ようにみえても、また再発したり、別のところに問題が出てきたりします。


根本が解消されていないからです。


「根本治療!」をうたっている治療家の先生も多いですが、根本治癒とは、患者さん(お客様)ご本人が「生き方レベルで」変化したときのみです。


ちなみに僕の場合、僕がほんとうの意味で健康を取り戻すためには、身体を鍛えて栄養をしっかりとることと、メンタルを強化することが必須でした。

 

鍛えるといっても、僕の場合、ジムのマシーンを使うと身体をかえって壊してしまうので、特殊なトレーニングやストレッチが必要でした。

 

僕のサロンでは、その特殊なトレーニングやストレッチのやりかたを、通常のジムなどでのトレーニングが合わない皆さんにご指導しています。

 

そして、それ以上に大事なこと。

 

それが、ライフスタイルの見直し・改善や、メンタルの強化でした。

 

ここには、カウンセリングやコーチングが必要となります。

 

カウンセリングやコーチングは、学校で学んだだけでは足りず、僕の場合、相当な独学もおこないながら、どんどん現場に取り入れて実践してきました。

 

そうしているうちに、とんでもなく大事なことに気づいたのです。

 

健康にしろ、肥満にしろ、身体を変えるためには、

 

自分自身を見直す

 

必要がある、ということでした。

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実際、僕のサロンに7年くらい、ほとんど毎週通ってくださっているNさんは、サロンのことを、

「自分を見直す場所」

と言ってくださっています。

 

Nさんは、施術のためというより、しゃべりに来られるといった感じですが(^^;

それがNさんにとって「自分を見直す」機会になっているのだと思います。

 

というのも、Nさんは元気すぎるくらい元気で、健康面もまったく問題ない。

それなのに、通い続けてくださっているからです。

もちろん、仕事で疲れはたまるので、それもあるのでしょう。

 

ただ、このサロンが「治療院モデル」を取り入れていたら、Nさんのようなどこも悪くない方が通い続けることはないと思います。

 

肥満に悩むのも、単に食べすぎとか運動不足、なんていう単純な問題ではありません。

 

背景に課題がある場合がほとんどです。

 

治療院でもない。

 

エステサロン、ダイエットサロンでもない。

 

カウンセリングルームでもない。

 

新しいスタイルのサロンのカタチを、これからできるかぎりシステム化して提案できるようになること。

 

これが今の僕の目標です。